あなたへ

.11 2012 映画 comment(0) trackback(1)
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 今日は健さん久々の新作となる「あなたへ」の感想をアップして行きます。

《あらすじ》
妻を病で失った富山の刑務所の指導技官・倉島(演じるは高倉健さん)に、
亡き妻・洋子(演じるは田中裕子さん)が生前書き残した2通の手紙が届く。
1つは自身の故郷である長崎の海に散骨して欲しい旨が記された絵葉書。
そしてもう1つは、長崎県平戸市の郵便局への局留め郵便となっており、
その場で内容を確認できないものであった。
―妻は何故このような形で手紙を残したのか…。
―妻は何故生前にその想いを伝えてくれなかったのか…。
局留め郵便の受け取り期限はあと10日。
倉島は妻の真意を知る為に、
自作のキャンピングカーで富山から1200キロある長崎を目指す。
旅の途中で出会と別れを繰り返し、
辿り着いた長崎で倉島が知った亡き妻の想いとは…。

以下、ネタばれありの感想です。
 自分は何か一つの出来事をきっかけにして、
人が良い方向に変化していく映画が好きなんですが、
本作は非常に静かに上記の変化を描いていて、
それが心地良かった。

結局、局留めの手紙には、
「さようなら。」
のたったの一言しか書かれていなかったんですが、
倉島と結婚する前、意中の人を亡くし、
失意の底にいた洋子を、
下界と隔絶され、時が止まったままである刑務所を引き合いに出し、
「貴方は貴方の時間を生きるべきだ。」
と倉島が元気づけると云うエピソードが中盤辺りで描かれており、
上記の短い一言が、
傷心を癒してくれた倉島へのある種の洋子の「お返し」だと分かった時は、
心を動かされずにはいられませんでした。
冒頭で季節外れの風鈴を片付けようとする倉島夫婦のシーンが、
「モノクロ」で描かれてるんですが、
倉島が手紙に込められた真の意味を理解した際、
上記の風鈴のやりとりが、今度はカラーで挿入されまして、
「風鈴を片付ける=自分の時間を再び動かし始める」
「モノクロからカラーへの変化=倉島が奥さんの死に踏ん切りをつけた」
ことを表していた(…と自分は思ってるのですが)ところは、
ただただ巧いの一言。
倉島が道中で出会う人々が、
このまま倉島が自分の時間を止めたままだったら
どうなってしまうのかの具体例の役割を担っていて、
これらの人々の描写や、
洋子の手紙の真意から、
本作のテーマは個人的に「踏ん切り」だと思ってます。

冒頭で述べた通り、
本作は終始静かに進行して行きます。
正直なところ、余りに静か過ぎて冗長な所が無くも無かったんですが、
それでも飽きることなく観続けられたのは、
健さんの力に拠る所が大きいと思います。
男が惚れ惚れする男って、
なかなかいないですよね…。

それと、オールナイトニッポンの事前情報で出演されることは分かってたのですが、
それでもナイナイの岡村さんの出演シーンは、
決してギャグシーンではないのだけれども、
吹き出さずにはいられませんでした。

そんなこんなで、
6年ぶりの健さん主演作は、
決してドラマチックで劇的な変化じゃないけれども、
ほんのり心の温まる人間の変化を描いた良作でした。
以上!

追伸.
本作が貴方を銀幕で観る最後の作品となるとは思っておりませんでした。
大滝秀治さんのご冥福をお祈り致します。
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Author:狂犬佐藤
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