アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

.16 2017 映画 comment(0) trackback(0)
eye in the sky
 観てから大分時間が経過してますが、今日は「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一
安全な戦場
」の感想をアップして行きます。

《あらすじ》
イギリス、アメリカそしてケニアの3国が行方を追っていた最重要指名手配
テロリスト・アイシャ。
3国は、遂に彼女の隠れ家を突き止める。
ドローンの映像を介してアイシャの捕獲作戦緒指揮を執るイギリス常設統合
司令部司令官のキャサリン(演じるはオスカー女優のヘレン・ミレン)は、
アイシャが隠れ家に大量の破壊兵器を用意し、大規模なテロを計画している
ことに気付く。
しかし、隠れ家が完全にテロリストの勢力下にあり、現地の協力者
(スパイ)の身を危険に晒してしまう為、アイシャの捕獲も追跡も不可能と
なってしまう。
このままアイシャの逃走を許せば、彼女によって起こされるであろうテロに
よって多くの人々が犠牲になってしまう。
そこで、キャサリンは捕獲作戦を高高度からのミサイル爆撃による殺害作戦
へと変更することを提案。
何とかその変更の了承を得るも、ミサイルの殺傷圏内に民間人の少女が
いることが判明する。
少女を犠牲にしてでも爆撃を実行し、テロを未然に防ぐのか…。
少女の命を救うべく、アイシャの逃走を許してしまうのか…。
究極の選択を迫られた3国の司令部の下した判断は…。

以下、ネタばれありの感想です。
新年に入って二本目の映画となりましたが、一本目の「ドント・ブリーズ」に
続き、百点満点の出来でした。
立て続けに良作に出会えて、今年は幸先が良いです。

本作を一言で表すのならば、「究極の焦らし映画」。
間違いなく近い内にテロを実行する(劇中でも監視現場内に爆弾や自爆
テロ用の道具がぎっしり用意されている描写がされている。)抹殺対象の
テロリストをドローンからのミサイル爆撃によって今仕留めるか否かで、
常に状況が変化し続けて終始登場人物達が右往左往しまくるので、観て
いる側は「結局最後はどうなるのよ」と気が気ではなくなり、目が離せなく
なる作りになっています。
対象のテロリストが確かに本人なのか敵地で確認しなければならない→
確認とれたのでいざ実行しようと思ったら、テロリストの中にアメリカ人が
いる為に外交問題に発展することを恐れ、責任をとりたくない政治家達が
横槍を入れる→上層部の問題が解決してやっとこさ実行しようと思ったら、
爆撃ポイントで現地の子供が商売(パン売り)をし始め、彼女を爆撃の
巻き添えにしてまでテロリストを抹殺するか否かで現場と司令部が対立
…こんな感じで、休む間を与えてくれません。
最後の最後で、「一(現地の少女)を救うか、全(テロリストがこれから
実行するであろうテロによって生じる犠牲者達)を救うか」という究極の
選択(焦らし)を、タイムリミット(長年追っていたテロリストが監視現場を
離れ、再び潜伏してしまう)がある中で最後の最後に設けるところの、
(良い意味で)意地の悪い作りになってるな~と感心した次第です。

上述した「多数を救う為の犠牲は許容されるのか?」ということ以外に、
「ドローンを使った痛みの伴わない安全圏からの攻撃は是とされるのか?」
等々、最近の戦争の問題提起をしつつ、左右どちらの意見にも傾き
過ぎることなく、ちゃんと娯楽していたのも、個人的にポイントが高いです。
結局周辺被害が最も生じない位置への爆撃により作戦は実行されるも、
現地の少女は巻き添えになって息を引き取る所で本作は幕を降ろします。
その犠牲に見合うだけのものを得られたのか否か…上述した通り、どんな
考えにも傾き過ぎることなく、問題提起のボールを観ている側に投げ
かける、非常に余韻のある終わり方でした。
ちなみに、劇中で描かれた虫に偽装した偵察カメラは、パンフ掲載の監督
へのインタビューによれば実用化されていることを知り、現実が虚構に追い
ついてきたんだな~…としみじみ思いました。

「偉い人ほど責任を取りたがらない」、「どれだけ用意周到に準備したこと
でも想定外は生じる」等、戦場だけでなく色々な所でも通じそうな教訓が
満載であったことも、個人的に面白いな~と思ったポイントです。
現地の少女を犠牲にするか否かで最終的にイギリス首相にまで判断を
仰ぐ事態となり、当の首相は「作戦の実行はマストだが、その際の被害は
最小限にせよ」と云うその後いくらでも逃げられるずるい指示を与える
場面は、笑っちゃいけないところなんでしょうけどブラックなユーモアに
満ち満ちていて思わず吹き出してしまいました。

そんなこんなで、対テロ戦争の実態を描いた軍事サスペンスである
本作は、観る者を焦らして焦らして焦らしまくる傑作でした。
以上。

追伸
イギリス国防副参謀長役で、アラン・リックマンが出演しています。
本作が実写出演では遺作になったそうで、エンドロール時に彼に
対してメッセージが捧げられていました。
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